お盆休み。
来る同級生がみんな年寄りばかり。
「 むらかみ みか 」 さんの絵を眺めてください。少しずつあげていきます。
綺麗な写真とは言えませんが、ご容赦ください。
「 ピ ラ ー ル 女 神 」
ドライリーフが絵の上方にあります。作品によって絵の色が違い、紙質も変わり
貼られているドライリーフも異なります。同じものはありません。
女神はもちろん、聖母マリアです。
ピラールという言葉は、聖母マリアが、柱(ピラール)の上に現れたという
スペイン、サラゴサの伝承から。
みかさんの作品に描かれる女性のパターンは、面長で、
目を閉じていることが多いのですが、
それとは異なり、目を開け端正な雰囲気です。
聖母マリアですから当然でしょうか。イエスは面白い顔立ちです。
髪の毛もカールをしています。聖母子像は有名な作品がいくつもありますが
どれも、イエスは立派な顔立ちで、髪もふさふさしています。神の子ですから
当たり前でしょうか。
この間たまたま、古いアルバムの写真を見ていたら
赤ん坊を抱いてお風呂に入れている妻の写真があり、
子供の顔が、この絵のイエスに似ていたのでびっくりしました。
もちろん、妻はマリア様ではありませんし、息子もイエスとは
似てもにつかぬ人間ですが。
「 海 の 振 動 」
大きなウミガメが大海を泳ぐ様を、海の振動という、大ぶりな言葉で
的確に表現しています。
フレームは大きな作品の割には細いものです。
青海波のような雰囲気で気に入っています。
ウミガメの周りにエンボスで波紋が描かれています。
カメの中には三匹の金魚が。
みかさんの作品の特徴は、モチーフの形の中に、別な世界が描かれていることです。
ウミガメの形態は、その世界へ通じる窓になっています。
我々はそこからもう一つの世界を、覗き込んでいる気持ちになります。
アリスが落ちた穴の中の世界です。
「 風をつくるもの 」
風をつく
みかさんの描く天使は、伝統的で、ふくよかなエンゼルです。
でも羽根が小さいですね、これで飛べるのかしら。
ピアノを弾く手も小さくて、オクターブは届きそうにもありません。
風の動きを、ちぎった色紙で、流れる葉、花びらのように、表現しています。
みかさん得意のやり方です。
その風に、エンゼルが気持ち良さげに乗っています。
「 ソ ナ タ 」
楽器をモチーフにしたシリーズの一つです。
ピアノの鍵盤も藤色で、伸びる葉と相俟って和風の雰囲気です。
エンボスには蜘蛛の姿も。
「 秋 」
秋思。 枯れ葉が舞っています。
こういう女性のパターンも、みかさんの作品の一つの形です。
この女性は目を開いていますね。
ここでは、このパターンの作品を多くは取り上げていませんが
現代的、現実的、と言えるような一連の作品も
みかさんは作っています。
この作品は雰囲気もよく、綺麗な色合いです。
洋服の襟元の形は、そう言えば、みかさんの好みですね。
「 農 場 」
小品です。三角形の構図で、上に屋根を置いてバランスをとっています。
孔雀がいるのがすごいですね。
「 帰 還 」
上の「農場」と同じタイプの小品です。
帰還というと少し大袈裟な言葉ですね。宇宙飛行士の地球への帰還、
勇者の帰還といった感覚の言葉使いです。
絵では、車で帰宅した夫が、妻と犬の出迎えを受けています。優しい家庭ですね。
みかさんは、スペインで長いこと日本語を喋っていないので、帰国して時々
面白い言葉使いをすることがあります。
簡単な言葉が出てこず、漢語を使うことが良くあります。
これも帰還ではなく、帰宅かもしれません。
それとも長い不在の後でしょうか。
「 窓 辺 で 」
みかさんのお気に入りの作品です。
グラスを前に置いた子供は何を思っているのでしょう。
窓の外の世界には、何が見えているのでしょうか。
いつもとは逆に、向こうの世界から、我々の世界を見られているようです。
「 C A S A 」
小品です。
いつもの女性と違い、丸顔です。窓から外へ顔を出しています。
カーテンが風で翻る、小さな煉瓦作りの家です。庭には鳥の家族と花が。
CASAですから家ですね。カサブランカではなく
カーサロッソでしょうか。適当ですが。