2022 8/17

 

 

   

   「むらかみ みか」 さんは スペイン グラナダ在住です。

       もう、30年近くになるでしょうか。  

 

 

 

 

 

 

              「 コケコッコ 」

 

     スペイン語では、ココロコのような表記ですね。

    色々と可愛くて、面白いものが見られる、小品の一つです。

 

      みかさんの帽子の上で、親鳥が雛を孵しています。

    卵の殻を破り、元気な雛の可愛い鳴き声が響き渡っています。

 

     sing a song of six pence a pocket full of rye 🎵

 

 

 

 

 

 

 

            「 つぶやき 」 のシリーズ

 

 

        驚くことに、段ボール紙にプリントしてあります。

   これも、みかさんの鳥の一つです。段ボール紙もなかなか優れたものです。

 

      このシリーズの鳥には、珍しく、長い脚があります。

     この絵柄で飛翔感を感じさせるには脚が必要なのでしょう。

       羽根の形も違います。いつもよりも大きく長いものです。

      静的な鳥ではなく、動きのある表現です。

  みかさんは、やはり、鳥の飛翔に限らず、動き、躍動感が好きなのでしょう。

 

     作家ですから、もちろん自然と適切に描かれるわけです。

    みかさんは、頭で意図的に表現することはないように思います。

    自分の中から、考えずに出てきたものを描いているように見えます。

 

     亀の絵では、逆に、飛び立った後の、脚しか描かれていません。

      飛ぶ鳥、脚を残さずというわけには行きませんでしたね。

 

 

 

 

 

 

 

            「 ペルセウス座流星群 」

 

 

          マグロのような大きな回遊魚です。

 

    背景のエンボスには、水の流れと泳いでいる亀も表現されています。

      亀とマグロは何だか変ですね。泳ぐスピードが違います。

 

     ペルセウスギリシャ神話の登場人物で、ゼウスの子供です。

       エチオピアの王女アンドロメダを妻としています。

    アンドロメダ座も大星雲で有名ですが、ペルセウス座の隣にあります。

 

   神話は、ペルセウスがゴルゴン三姉妹の一人、メデューサの首を討ち取り、

       危機に陥ったアンドロメダ王女を助け、

         故郷へ戻って王になる顛末が語られています。

 

       髪の毛が蛇になっているメデューサは有名ですが、

         その顔を見たものは石になってしまうことを利用して、

           ペルセウスは敵を倒していきます。

 

       何だか、水戸黄門の印籠のようですね。この顔が見えぬか。

 

  神話に出てくる、アンドロメダの母親カシオペア、怪物くじら、天馬ペガスス、

      みんな星座になっています。

 

 

    

     マグロのような魚の中には、銀河の流れが見られます。

        影のような自分の分身と泳いでいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              「 セレナーデ 」

 

 

            楽器のシリーズの一つ。

 

          三日月が出ています。秋の夜でしょうか。

 

                  金管のどちらかと言えば派手なトランペットですが、落ち着いた

     表現の絵柄になっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

               「 十  五  夜 」

 

 

  月は西洋では人を狂わせるものです。狼男もそうですが、lunaticという言葉は

     良い意味では使われません。

 

   この「十五夜」を見て、すぐにlunaticという言葉が頭に浮かびました。

 

     アリスの中に、3月ウサギという、少しおかしな登場人物がいます。

       3月のウサギのように気が狂っている、という

         英語の慣用表現からできているようですが、

      ここにいる胡散臭いウサギたちも、3月ウサギの仲間です。

 

 

 

            「 満月の夜のあと 」

 

        これも同じウサギたちの別バージョンです。

 

 

 

 

 

 

 

             「 時間と風 」

 

 

     小さな作品です。書棚の前には女性が。

  「セミ」と同じで、最初は男性かと思いましたが、長い髪が横に垂れています。

     時間と風、というタイトルの本を持っています。

 

  みかさんの描くいつもの女性です。鼻筋が通って、面長で目を閉じています。

    瞑想しているのか、過去の記憶をたどっているのか。

      あまり何も考えていないようにも見えます。

    背景には沢山の小さな白点が。小雪がちらついているようです。

 

 

 

 

 

 

 

                「 流れ星 」

 

              

 

                地球です。

 

  狼、あるいは家畜化された犬がエンボスされて、地球の周りを飛び跳ねています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   「 山 の 足 跡 」

 

 

        みかさんは、素描の作品もいくつか描いています。

 

       大きな葉と、それに伴う影。山裾に見える二頭の山羊。

        山羊というよりも、角を見ると

        アンテロープ、インパラのようなものでしょうか。

 

               ドリームキャッチャーのシリーズと同じ円形の台紙です。

 

 

 

     二頭並んでいますが、どちらも手前に黒い影のような形があり、

    後方にはそこから時間のずれがある、動きを見せた姿を描いています。

 

     手前の影のような山羊は実体があるものには見えません。

        後ろの動きを伴う山羊の絵も同じです。

      現実的ではなく、過去の動きを辿っているようです。

 

 

 

      足跡自体は確かな実体によって作られたものではありますが、 

    それを見ている現在では、すでに存在しないものの記憶を見ているだけです。

 

            形を持った残像。

      

  足跡は実体の一部とも言えないものですが、時間がたてば実体を代表するものに

    なるのは、足跡(そくせき)という言葉が象徴しているようです。

   本来の凸が凹として表現されていて、陰陽とも言える、実体を持たない実体。

 

      山で、動物の足跡から見る、過去、歴史、記憶、思い出。

 

 

 

 

 

 

 

 

                         「 日 記 」

 

 

 

 

 

                 「 アラベスク 」