2023 8/24
猛 暑

「 誘 惑 」






2023年に送ってくれた作品。縦長のもので、上方にはエンボスがあり、しまうまのような姿も見られます。植物の種子のようなものも、上からくるくる回って落ちてきます。
下方には、青い三角形の盃でしょうか、花びらの紋様が描かれています。
ガラスの器でしょうか。もっとも、尖端のとがり具合からすると、普通の容器では
ないようです。

「 走 る 」




横長の小品です。
綺麗な青緑の色合いです。犬が描かれています。左から経時的に犬の動きが表現され、
右端には、走り去る犬の尻尾が見えます。
2023 4/2
桜 さくら 桜 サクラ
2023年2月、久しぶりに、みかさんが日本に帰ってきました。
新しい作品を沢山持ってきてくれました。

「 みずがめ座 」



葉の形で葉脈が見えます。中には馬の群れが。周りには星のエンボス。
それとも羽根の形と言った方がいいのでしょうか。
この間、「キュクロープス」を見ていたら、同じ形の絵を見つけました。
葉脈はありませんでしたが、みかさんの好きな形かもしれません。
歩いている馬たち、これも良く描かれるものですが、馬というよりは
アルパカとかリャマのような雰囲気を感じさせます。
タイトルの「水瓶座」、はどういう意味合いがあるのでしょう。
アクエリアス という歌がありましたね。
ロックミュージカル ヘアーでした。

「 明 晰 夢 」
明晰夢とは、自分で夢であると自覚しながら見ている夢のことだそうです。
可愛らしくて、皆さんに人気のある絵です。
風船のような、吹き出しのような、 面白い形の中に、獏が。
明晰夢もバクに食べられてしまったかもしれません。
この白いフレームは、少し子供っぽいこの絵によく合っています。


花がバクを飾っています。



右上には鳥の舞うエンボスが。左下には山裾を牛の群れが歩いています。

「 オーロラ婆さん 」

なかなかすごい題名です。どういう意味でしょう。と言っても仕方がないです。
魚ですが、みかさんはカツオのつもりのようです。
太った形は、マグロにも見えますが。
魚の周りには、カモメがエンボスされています。
下方には、アヒルがいます。猫のエンボスも。
水辺の、細い道には、バッグを下げたおばあさんが
二匹の猫を連れて歩いています。



舟がもやっている小さな港。カモメが飛び、道沿いに並ぶ家。
バスク地方にはこんな光景があるそうです。

「 双 子 岩 」

綺麗なブルーの印象的な作品。
フレームは絵にぴったりのもの。なかなかこれだけのものはありません。
日本では、二見浦の夫婦岩ですね。これは同格のものです。

双子岩の中には、鯨、マッコウクジラのようです。
クジラの中を魚の群れが泳いでいます。周りには水の流れと波のエンボス。
鯨の上方には海鳥が飛んでいますから、くじらは海面から頭を出している
のでしょうか。 すごい目ですね。
魚はおちょぼ口で可愛い感じです。まつ毛のある魚もいます。
みかさんの作品で良くあるのは、モチーフの形の中に、別な世界を描くことですが
これは少し違いますね。
でも、一つの絵の中に、多重の表現をするという点では同じかもしれません。

岩の外側には、舟の形でしょうか。いくつか浮かんでいます。

「双子岩」と「波の戯れ」が並んで掛けられていますが、よく合っています。

「 森の中の談話 」

「三人の使者」「旅程」と似た感じで、いくつかの三角形の形の中に
色々な絵が描かれていますが、その雰囲気はまったく違います。
三角形の形の中の絵は、童画のようで、枝角の立派な鹿、みみずく、
2頭の熊、リス、狐と亀などの動物です。
森の中の談話、です。

木菟と夜の月。



ウサギと亀、ではなく、キツネとカメ。

「 鳥 Navegar 」





「航海」( Navegar )という、「忘却」と対の作品がありますが、
これは「航海」を半分に切ってできた作品です。色調は綺麗なグリーンです。

「 ナバス通り 」




ナバス通りに建つ1軒の家、その窓からは色々な人たちの顔が見えます。
ナバス通りはどこにあるのでしょう。
石造の建物は、ヨーロッパの中世を思わせます。
むらかみ みかさんの作品の目次
8/8 「poeta」 「doktor」
8/10 「ピラール女神」 「海の振動」 「風をつくるもの」 「ソナタ」 「秋」
「農場」 「帰還」 「窓辺で」 「CASA」
8/11 「空が泣き、鳥が静み、森の葉々が輝き、大地が微笑む」 「波の戯れ」
「マグノリア ロマンス」 「詩節」 「詩人」 「音楽隊」
8/12 「ロス エクスジョより」「昼と夜の間で」「旅のおくりもの」「蝶の旅」
「水面を通して」「星泥棒」 「雪の涙」 「森の中」 「追憶」
「山と雲」 「インファント島」 「インファント島 II」
8/13 「旅程」 「三人の使者」 「春の夢」 「青い夢」 「密会」
「眠るひと」 「バコの秘密」 「象の記憶」
「ソーラー」
8/14 「木の女神」 「タンゴ II」 「眠り(ブロンズ)」 「眠り」
「別れの中の出会い(2つの頭部)」 「Germerion] 「空の橋」
「パンドラの箱」 「イタカ II」 「家と花」 「鳥かごと木」「立体」
8/15 「夏」 「空」 「世界」 「あの夏の記憶」
-みかさんの鳥たち- 「航海する」 「忘却へ」 「セカンドメッセージ」
「忘却の間を航海する」 「海の精たち」 「セミ(蝉)」
8/17 「コケコッコ」 「つぶやき」のシリーズ 「ペルセウス座流星群」
「セレナーデ」 「十五夜」 「満月の夜の後」 「時間と風」 「流れ星」
「山の足跡」 「日記」 「アラベスク」
8/18 「失われたロマンス」 「シンフォニー」 「夢をみたくて」
「大地のかけら」 「庭 I&II」 「海と私」 「緑」 「かえで」
8/30 「理想郷」 「深夜」 「バコの歌」 「土地」 「にわか雨」
「水の記憶」 「逃避行」 「水の声」
9/7 「森の汽笛」 「鳥 (板への絵)」 「キュクロープス」 「月食」
「桜」 「優しき風と澄んだ香りと共に」 「半影」 「名画 II」
「羊を数えて」
4/2 「みずがめ座」 「明晰夢」 「オーロラ婆さん」 「双子岩」
「森の中の談話」 「鳥 Navegar」 「ナバス通り」
2022 9/7
残 暑

「 森の汽笛 」

ぶら下がっている、葉のような形の中に鳥がいます。
鳥籠の中のようにも見えます。
鳥の絵柄の雰囲気は素朴で
ヒュー ロフティングが描く、ドリトル先生物語 の挿絵のようでもあります。
ピピネラのようなカナリアではありませんけど。

「 無 題 」


板に描かれた作品です。2枚を屏風のような形で、蝶番で繋いで
額装してもらいました。鳥はなんでしょうか。
板には少し線ぼりの模様が見られます。

「 キュクロープス 」




ギリシア神話に出てくる、単眼の巨人、キュクロープス。
逆さまになっていますが、あかんべをしています。
髪型がパーマのようで、雷様にも見えます。
左下には三日月形、葉のような形態が。これは「みずがめ座」と
似た形ですね。
中には海の波と、古代の舟。

「 月 食 」


月、中に植物が、横に見えるのは、すっぽんではなく、亀です。
丸い影の繋がりとして、月の動きが表されています。

「 桜 」

抹茶茶碗です。和風でいい感じです。普通にはない、紫がきれいです。
そばに桜の花びらが。春です。
曜変天目でしょうか。


「 優しき風と澄んだ香りと共に 」





2枚組の作品です。優しい風に乗って舞う、色違いの葉。
葉っぱを描いたのでしょうが、
形からなんとなく唐辛子を思ってしまいます。
特に赤い方はそうですね。
風に流されるちぎられた色紙は、いつもの表現です。

「 半 影 」
小品です。 半影は、本影の周りに見られる薄い影のこと。
夜空を駆ける元気な犬。

「 名画 II 」

ちょっと面白い作品。名画をいただいています。
別な絵を使った、もう1点あります。
暖炉のある室内がエンボスで描かれています。
アンリ ルソー 「眠るジブシー女」

「 羊を数えて 」

ドリームキャッチャーのシリーズです。
どういう意味でしょうか。眠れなくて、羊が一匹、二匹・・
にしては変ですね。わかりません。
2022 8/30
夏の終わり

「 理 想 郷 」


「 ロス エクスジョより」、のように
空を翔ぶ、大きなカモメのエンボスが画面全体にあります。
時々持ってきてくれる、素描の作品です。
絵の下方に遠い山並と空を舞うカモメが描かれています。
中央に、火口を持つ山々を、上から俯瞰し拡大した姿が見えます。
ビルボ・バギンズと指輪。
「 The Lord of the Rings 」を思い出させます。
瀬田貞二さんにお見せしたかったですね。

「 深 夜 」



深夜の森の中を、少年とロバが歩いています。後ろからは犬も来ます。
大きな嘴の、変わった鳥がのぞいています。
なんだか、ホヤのような、海の生き物のようなものも見えます。
青暗い夜ですが、つい、深海のようなイメージを持ってしまいます。
書籍の形をしています。背表紙には、『「深 夜」 むらかみ みか 』
と書かれているのでしょう。
幅広で素敵なフレームです。
少年が本を読んだ後の不思議な夢でしょうか。
悪夢ではありませんが、変わった夢です。

「 バ コ の 歌 」

みかさんのエンゼルです。「バコの秘密」とは、少し違います。
やや古めかしい、古典的な絵柄です。壺の形も。 葡萄が見えます。
古いヨーロッパの世界を思い出させます。
Baco はバッカスです。色合いが、赤葡萄酒にふさわしいです。

「 土 地 」



少し古い形のグラス。それとも水盤でしょうか。
グラスの中の水面には、小さな笹舟のような舟を漕ぐ人がいます。
一寸法師ではありませんが、中国か、東南アジアの人のようです。
舟に積まれているものは何でしょう。巻かれているようです。

「 に わ か 雨 」


山を山羊の群れが歩いています。鹿もいますか。
にわか雨が降っています。まわりの草木には恵みの雨が。

「 水 の 記 憶 」


ヨーロッパの中世ですね。リュートが見えます。
梨のような楽器が。人々が踊りをおどっています
鍵穴のような形にも見えなくはありません。
鍵穴を通して見える、時空を超えた別な世界。
大きな作品ですが、重厚なフレームがよくあっています。

「 逃 避 行 」

小品です。エスケープ で「逃避行」 というタイトルです。
みかさんの絵のタイトルは面白いですね。
みかさんの好きなワニと気球に乗っています。ワニと逃避行ですか。
ワニは双眼鏡を持っていますが、何も考えていません。みかさんも。
太陽が息を吹きかけて気球を動かしています。
地上には農場が。池にはアヒルの姿が見えます。

「 水 の 声 」

「庭」と同じように睡蓮です。
花が落ちた後の、穴が沢山開いている、シャワーのような形があります。
蓮と同じです。
2022 8/18
打ち直しを頼んでいた布団が戻ってきました。
新しく、厚くなった2枚の敷布団で寝ると、お殿様になった気分です。
布団の下に置いた枝豆で、私の背中にアザはできたでしょうか。

「 失われたロマンス 」


大きな作品です。
犀のような角を持った恐竜でしょうか。耳には大きなアンモナイト。
恐竜もアンモナイトも、同じような時代に栄えた生き物です。
耳元の貝が、古い失われた物語を語っているのでしょう。
「 私の耳は貝の殻 海の響きを懐かしむ 」

「 シンフォニー 」

楽器のシリーズの一つです。
バイオリンの胴の表面に描かれた植物の絵が素敵ですね。
色合いもこれがバイオリンに丁度合っていると思います。ストラディヴァリも
いいですが、音ではなく、絵の世界も負けてはいません。
でも、この間、草色のバージョンを見たら、その色合いも良かったです。

「 夢をみたくて 」

小品です。
牛ですね。顔の中に、農場、田舎の風景が入っています。
花のエンボスが見えます。
優しくて、シュールな牛の顔。
丑年のお正月に、玄関に飾りました。

「 大地のかけら 」

大きな作品です。
地球の規模を考えれば、人間など表面のカビとも言えない存在です。
アルプス、ヒマラヤ山脈も、小さなシワのようなものです。
エアーズロックのような山も、大地のかけらであるといえば、その通りです。
稲光のような線が、山の表面を走っています。
単純な構図で、エンボスもなく、無愛想に見えますが、存在感がある作品です。

「 庭 I & II 」

睡蓮です。モネとは違います。雨の雫が見えます。
別々に額装したら変ですね。 「別れの中の出会い」になってしまいます。

「 海 と 私 」


こういう、人物を描いた小品を、みかさんはよく作ります。
その中では、これは雰囲気が違っています。他のものは装飾的な一面を感じますが
この作品は、より絵画的であるように感じられます。抽象的とも言えます。
人物の表現も綺麗なものではなく、汚れが見られます。口元もゆがんでいます。
頭の上の魚は、「滝田ゆう」の漫画、吹き出しの中の絵を思いだしました。
襟元の感じからは沖縄の雰囲気を感じますが、特にそのように考えている
わけではないでしょう。みかさんの好きな形です。
この女性は目を閉じて、過去の記憶を辿っているようです。
過ぎ去った、海の思い出。

「 緑 」

みかさんの女性。 面長で、目を閉じています。
「海と私」とは異なり、スッキリした雰囲気です。
背景には鳥が舞い、葉が風に乗って流れています。
頭に矢羽根の装飾があるように見えて、
なんとなくインディアンを想像してしまいました。
女性は目を閉じていますが、眠ってはいません。
「セミ」 の女性と同じで瞑想しています。

「 か え で 」


ペンギンです。体の中に、楓が。
少し太めで、いい形をしたペンギンです。
何だか、ドリフターズの踊りのようにも感じられます。
2022 8/17
「むらかみ みか」 さんは スペイン グラナダ在住です。
もう、30年近くになるでしょうか。

「 コケコッコ 」
スペイン語では、ココロコのような表記ですね。
色々と可愛くて、面白いものが見られる、小品の一つです。
みかさんの帽子の上で、親鳥が雛を孵しています。
卵の殻を破り、元気な雛の可愛い鳴き声が響き渡っています。
sing a song of six pence a pocket full of rye 🎵

「 つぶやき 」 のシリーズ




驚くことに、段ボール紙にプリントしてあります。
これも、みかさんの鳥の一つです。段ボール紙もなかなか優れたものです。
このシリーズの鳥には、珍しく、長い脚があります。
この絵柄で飛翔感を感じさせるには脚が必要なのでしょう。
羽根の形も違います。いつもよりも大きく長いものです。
静的な鳥ではなく、動きのある表現です。
みかさんは、やはり、鳥の飛翔に限らず、動き、躍動感が好きなのでしょう。
作家ですから、もちろん自然と適切に描かれるわけです。
みかさんは、頭で意図的に表現することはないように思います。
自分の中から、考えずに出てきたものを描いているように見えます。
亀の絵では、逆に、飛び立った後の、脚しか描かれていません。
飛ぶ鳥、脚を残さずというわけには行きませんでしたね。

「 ペルセウス座流星群 」

マグロのような大きな回遊魚です。
背景のエンボスには、水の流れと泳いでいる亀も表現されています。
亀とマグロは何だか変ですね。泳ぐスピードが違います。
アンドロメダ座も大星雲で有名ですが、ペルセウス座の隣にあります。
神話は、ペルセウスがゴルゴン三姉妹の一人、メデューサの首を討ち取り、
危機に陥ったアンドロメダ王女を助け、
故郷へ戻って王になる顛末が語られています。
髪の毛が蛇になっているメデューサは有名ですが、
その顔を見たものは石になってしまうことを利用して、
ペルセウスは敵を倒していきます。
何だか、水戸黄門の印籠のようですね。この顔が見えぬか。
神話に出てくる、アンドロメダの母親カシオペア、怪物くじら、天馬ペガスス、
みんな星座になっています。

マグロのような魚の中には、銀河の流れが見られます。
影のような自分の分身と泳いでいます。

「 セレナーデ 」



楽器のシリーズの一つ。
三日月が出ています。秋の夜でしょうか。
金管のどちらかと言えば派手なトランペットですが、落ち着いた
表現の絵柄になっています。

「 十 五 夜 」

月は西洋では人を狂わせるものです。狼男もそうですが、lunaticという言葉は
良い意味では使われません。
この「十五夜」を見て、すぐにlunaticという言葉が頭に浮かびました。
アリスの中に、3月ウサギという、少しおかしな登場人物がいます。
3月のウサギのように気が狂っている、という
英語の慣用表現からできているようですが、
ここにいる胡散臭いウサギたちも、3月ウサギの仲間です。

「 満月の夜のあと 」
これも同じウサギたちの別バージョンです。

「 時間と風 」

小さな作品です。書棚の前には女性が。
「セミ」と同じで、最初は男性かと思いましたが、長い髪が横に垂れています。
時間と風、というタイトルの本を持っています。
みかさんの描くいつもの女性です。鼻筋が通って、面長で目を閉じています。
瞑想しているのか、過去の記憶をたどっているのか。
あまり何も考えていないようにも見えます。
背景には沢山の小さな白点が。小雪がちらついているようです。

「 流れ星 」

地球です。
狼、あるいは家畜化された犬がエンボスされて、地球の周りを飛び跳ねています。

「 山 の 足 跡 」

みかさんは、素描の作品もいくつか描いています。
大きな葉と、それに伴う影。山裾に見える二頭の山羊。
山羊というよりも、角を見ると
アンテロープ、インパラのようなものでしょうか。
ドリームキャッチャーのシリーズと同じ円形の台紙です。

二頭並んでいますが、どちらも手前に黒い影のような形があり、
後方にはそこから時間のずれがある、動きを見せた姿を描いています。
手前の影のような山羊は実体があるものには見えません。
後ろの動きを伴う山羊の絵も同じです。
現実的ではなく、過去の動きを辿っているようです。


足跡自体は確かな実体によって作られたものではありますが、
それを見ている現在では、すでに存在しないものの記憶を見ているだけです。
形を持った残像。
足跡は実体の一部とも言えないものですが、時間がたてば実体を代表するものに
なるのは、足跡(そくせき)という言葉が象徴しているようです。
本来の凸が凹として表現されていて、陰陽とも言える、実体を持たない実体。
山で、動物の足跡から見る、過去、歴史、記憶、思い出。

「 日 記 」


「 アラベスク 」
