2022 8/13

 

 

         荒れた波、雨のお盆。

 

 

 

                

               「 旅  程 」

 

 

  みかさんの別の作品、「三人の使者」と同じ形式のモノクロームの作品です。

 

 基本的には山型のような形態の中に風景が描かれています。山並みの絵の中には

     馬、オオカミのような姿が見えます。

 

   「三人の使者」と同じように、綺麗な黒のフレームにうまく合っています。

 

 

 

 

 

 

                「 三人の使者 」

 

 

              絵の中には羊の群れが。

 

   博士、賢人ではありませんが、三人というと、キリスト降誕を思い出します。

 

                                     stray   sheep

 

 

     古い西洋の本の挿絵のようで、落ち着いた美しさを感じさせます。

 

  モノクローム(単色)というと、何だか黒と白との区別しかないように思いますが、

       そうではありません。黒も白も、その中に光のグラデーションがあり、 

          豊かな表現がなされています。

 

  カラーの作品は一見多様な表現力があるようで、むしろ不自由なものとも言えます。

   モノクロームの方が、見る側で受け取り方を強制されず、

        自由な感受性を発揮できるように思えます。

 

                      ものであふれている現代が決して自由ではなく、

     何もなかった我々の子供時代が、必ずしも不自由ではなかったように。

 

     松本幸治さんの写真も同じです。フィルムで撮ったモノクローム

    画像はまさに光で描かれた絵です。これが photograph です。

 

       

 

 

 

 

 

 

                                  「 春  の  夢 」  

 

                                    ドリームキャッチャーのシリーズ

 

 ドリームキャッチャーアメリカインディアンのオジブワ族の作る装飾品とのこと。

 

    お盆のような形です。上から吊り下げられるようになっています。

 

    風鈴のように。 スペインの展覧会でも、このまま吊り下げてありました。

   台紙の形、エンボスは皆同じで、下にそれぞれ異なる飾りがぶら下がっています。

 

    ドリームキャッチャーも、柳の枝を使って丸い形になっており

      下に装飾品がぶら下がっているようです。

 

                    

   みかさんの描く、得意の鳥の形です。春の風に乗って綺麗に泳いでいます。

     鳥の中には、小さな鳥たちが見えます。植物の葉も。

 

 

 

 

 

 

 

 

                   「 青  い  夢 」

 

 

      「青い夢」は素敵です。形、色合いともに決まっています。

 

      フレームの紋様は鰐皮を少し意識したものです。

    尻尾も面白いです。犬のようですが、こうでないと絵が決まりません。

 

      ワニを描いた作品は沢山あります。みかさんがワニを好きなのか、

           それとも、ワニを描くのが好きなのか、知りません。

 

         ワニの歩みは確かです

 

    自分がワニであり、ワニでしかないことを全く疑っていません。

      自意識という人間の宿痾とは無縁です。

   自分探しの旅、などということは考えたこともない、確かな歩みです。

 

                やれやれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

               「 密 会 」

 

 

            このワニも面白いですね。

      目つきからして、いかにもワニらしい図太さが漂っています

 

           月が池に映っているようです。

 

 

   密会というタイトルが笑わせます。どちらがメスでどちらがオスでしょうか。

        別に雌雄でなくても構いませんが。

 

         それとも悪だくみの密会でしょうか。

 

             「 有形屋お主も悪じゃのう。」

       「 いえいえ、黒粉平のお代官様、貴方様にはかないませぬ。」

           なんてことを言っているのでしょうか。

 

       やはり、密かな二人の出会いのように思います。

    フレームも洒落ています。ヴェルサイユ風と適当に名づけました。

 

 

 

 

 

 

 

  

              「 眠  る  ひ  と 」

 

 

             海辺のテーブルに顔をあずけて、女性が眠っています。

 

 テーブルの上にグラスが一つ。でも、お酒に酔って眠っているわけではなさそうです。

   海の前で静かに眠っています。夕暮れでしょうか。これも定かではありません。

     目覚める時があるのでしょうか。

 

         少し、神話の世界のようです。

海辺のテーブルに顔をあずけて、女性が眠っています。
 テーブルの上にはグラスが一つ。でも、お酒に酔って眠っているわけではなさそう

 

 

 

 

 

 

              「 バ コ の 秘 密 」

 

 

       これもエンゼルです。ワインを作っています。

        それとも、葡萄を食べているだけかしら。

        ふくよかで、小さな羽根のエンゼルです。

 

  ボトルの中の窓は、外の葡萄畑からの風に吹かれてカーテンがひらめいています。

       

       スペイン語のBaco(バコ)はバッカスですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

              「 象 の 記 憶 」    

                ドリームキャッチャー

 

 

  小さな舟に、大きな象が乗っています。汽船のように鼻から煙を噴き上げています。

 象の中にいるのは、小さなボートを漕ぐポリネシアか南米の人のようです。

 

     ちょっとオモチャのような可愛いフレームに合わせました。

 

 

 

 

 

               「 ソーラー 」

 

       

                        最近の小品です。

 

        「象の記憶」 のヴァリエーションです。

        黒は珍しいですが、なかなかいいものです。